ここではインド債券に的を絞って記述していきます。
インドで近年、外国人投資家の存在感が強まっています。
インド国債の保有者は2007年には同国商業銀行が約50%でしたが、2019年では40%程度に下がっています。外国人の保有比率も5~6%まで増えていて、債券市場の投資家が多様化しています。
日本でももっとインド債券へ投資をしている投資家が増えてくるでしょう。
2020年10月
10年金利は6%弱の水準
2020年10月時点でのインド長期金利は6%弱の水準となっています。
9月初旬以降6.0%近辺で推移していたインド10年国債金利は、10月9日に5.94%に低下した後、14日時点では約1ヵ月半ぶりの低水準である5.90%となっています。
背景には、10月9日のMPCでRBIが、
- 現在の物価上昇は、都市封鎖に伴う労働力不足等による一時的なものとの見方を示したこと
- 少なくとも2020年度(20年4月~21年3月)及び21年度(21年4月~22年3月)にかけて、必要な限り緩和的なスタンスを継続するとの方針を明言したこと
等があるものと思われます。
今後は、コロナウイルスの新規感染者数の減少傾向が続くこととなれば、物価上昇が落ち着くとの見方等を背景に、追加利下げ期待が高まるものと思われます。
インド10年国債金利が利下げ見送り等から急上昇した8月下旬前の水準である5.8%近辺を目指す動きになることも想定されます。
2020年8月
インドの10年債利回りが3か月半ぶりの水準
2020年8月24日、インドの10年国債金利は6.17%となり、約3ヵ月半ぶりとなる水準に上昇しました。
インドの10年金利は8月6日の5.77%を直近の底値として上昇傾向をたどっていましたが、足元はそのペースが速まっているようです。
金利上昇の要因としては、物価の高止まりや一部経済指標の改善で、追加利下げ期待が後退したこと、また足元の急上昇については、10年国債金利が6%を超え、投資家が先行き不安から持ち高整理を急いだこと等が考えられます。
ただ、経済活動の停滞や物価の落ち着き等を背景に、RBIの利下げ期待が強まれば、10年国債金利も再び下降していく可能性があります。
2020年6月
格下げ相次ぐも債券市場には影響が限定的
2020年6月、インドの格下げが相次ぐ中でも市場の反応は比較的冷静のようです。
インド国債の大半は国内保有という特殊事情に加え、インドの外貨準備高は増加傾向で対外ショックの緩和が期待された事が背景と言えるでしょうか。
また、消費者物価指数 を押し上げていた食品価格にも落ち着きが見られており、利下げ余地も確保されそうです。
2020年5月
海外投資家がインド国債市場から資金引き揚げ
外国勢のインド国債保有が3年ぶりの低水準に落ち込んだようです。
政府が巨額の借り入れに乗り出したタイミングで、海外投資家が逃げ出しました。
ルピー建て国債保有は今年のピークだった2月から7670億ルピー(約1兆900億円)減少したとの事です。
高利回り債市場のインドですが、ヘッジコストが膨らみ、利益が小さくなったことが嫌気されているようです。
また、2020年に入ってインド・ルピーが約6%下落していること、そして経済回復の糸口もなかなか見えない事も、インド国債の魅力を低下させていると言えるかもしれません。
インド国債、急落
2020年5月11日、インド国債相場が急落しました。
景気低迷に伴う歳入の落ち込みを補うため、モディ政権が借り入れを増やすと発表したことが嫌気されたようです。
インド10年国債利回りは22ベーシスポイント上昇し6.19%となっています。
これは2017年2月以来の大きな上昇です。
モディ政権は5月8日、4月1日に始まった会計年度に12兆ルピー(約17兆円)を借り入れると発表しています。
2020年4月
当面は10年債の値動きはボックス圏?
2020年4月現在、市場ではコロナ対策の資金源として国債が増発されるとの懸念が強まり始めているようです。
3月27日の緊急利下げにより一旦低下したインド10年国債金利が、4月に入って上昇傾向となっているのは、国債増発懸念も影響しているものと思われます。
インド10年国債金利は、追加利下げ期待と国債増発による需給悪化懸念という好・悪材料が交錯し、当面はボックス圏で推移する可能性が高いかもしれません。
2019年7月
インド債券へは資金流入、株は資金流出
2019年7月は、海外投資家はインド株式を売り越す一方、インド債券は買い越しを続けています。
- 先進国の国債利回り低下の一服感、
- インド国債の利回りの相対的な高さ
- 今回の予算案を受けた追加利下げへの期待の高まり
- 貿易摩擦用で株よりも債券のリスクリターンの方が魅力的
- インド株がダメだからインド債券へ
といった所でしょうか。
もしかしたら、当面はインド株式に対して債券が選好される環境が続くのかもしれません。
だとしたら、長期的な視点を持つ個人投資家にとって仕込むタイミングとなりうるかも。。。
インド政府がグローバル債を発行と発表、インド国債値上がり
2019年7月5日、シタラマン財務相が予算演説で初のグローバル債を発行する計画を表明し、これを受けた形でインド国債が値上がりしました。
invstem.com
指標の10年債利回りは0.13%低下し6.62%となっています。
2019年4月
インド債券、4月に入り反落
インドの国債市場は、2019年2月末から上昇傾向にありましたが、4月に入り反落しました。
インドでは各年ののモンスーン期の降雨量が食料品価格の動向に大きく影響を与える事もあり、注目されています。それで2019年は平年を下回る可能性があるとの見通しが示され、食品価格上昇をもたらす可能性からマーケットはそれを嫌気してます。
また、インフレ率(CPI上昇率)は2019年1月の前年同月比+2.0%から2月は+2.6%、3月は+2.9%と、2-6%に設定されている中央銀行のインフレ目標圏内ではありますが、上昇傾向にはあり注視されています。
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