中国の金融政策のまとめ2019

ここでは中国の金融政策等についてフォーカスして見ていきます。

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2019年9月

デジタル人民元はまだ先も研究を進めている模様

2019年9月24日、デジタル通貨の発行について具体的なスケジュールがない事を明言しました。

中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は、

「発行に向けたスケジュール表はない。研究、試験、評価、リスク管理などがまだ必要」

と語りました。

市場で言われている早期発行の観測を打ち消した形ですが、総裁が「デジタル人民元」に言及するのは初めてで、研究が進んでいる現状が分かります。

1年ものLPR、小幅引き下げとその背景

2019年9月20日、中国は1年物ローンプライムレート(貸出基礎金利)を前月の4.25%から4.20%に引き下げました。

この引き下げ自体は予想されていましたが、直近のより対象が広い預金準備率の引き下げがあったため、より大胆な利下げに動くとの期待が高まっていましたが、大幅緩和は見送られた格好です。

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何が背景としてあるのでしょうか

大幅利下げを見送った背景にはインフレ、人民元安、住宅バブルという3つの要因が取りざたされています。

まずインフレ懸念。

7、8月の消費者物価は前年同月比2.8%上昇し、政府が上限としているる3%に近づいています。

豚肉などは8月は47%も上がり、社会問題になる勢いです。

利下げはインフレを助長する効果があるため、大幅利下げはしにくかったのです。

次に通貨問題。

通貨人民元にも下落圧力がかかっていて、8月初めに1ドル=7元台に突入し、9月初めには同7.2元近くまで下落しています。

足元は落ち着きを取り戻していますが、利下げで元売り圧力に再び火がつく恐れもあります。

最後に金融緩和マネーの行先問題と言って良い住宅問題。

政府が行っている金融緩和のマネーが本来行ってほしい製造業ではなく、不動産に行っている状況にあり、緩和を進めにくくなっているのです。

1年ものMLFで2000億元を供給

2019年9月17日、中国人民銀行は1年物の中期貸出ファシリティー(MLF)を通じ、金融機関に2000億元(約283億ドル)を供給しました。金利は3.3%で据え置いています。

MLF金利の据え置きは、景気支援で十分な流動性を維持する一方過度な刺激策を警戒するサインと言われています。
アナリストは慎重な動きとうけとめているようですが、人民銀行は今週も支援策を加速させるとの見方があります。

預金準備率を0.5%引き下げ、景気下支えを狙う

2019年9月6日、中央銀行は預金準備率を0.5ポイント下げると発表しました。

9月16日から実施します。

大手銀行の標準的な準備率は13%になりますが、これとは別に、地方銀行だけを対象に準備率を10~11月に計1ポイント下げる予定です。

アメリカとの貿易戦争の長期化に備え、減速する国内経済に資金を新たに供給することが狙いで、景気の下支えを強めます。

人民銀行は

穏健な金融政策を続ける。バラマキはしない。景気下支えの強度を高める

と説明しています。

中国政府は預金準備率引き下げに加え、地方政府による特別債発行の加速も呼び掛けています。

同債券はインフラ投資の資金に充てられることが多く、中国経済を下支えすることになると説明しています。

2019年8月

急激な資本流出を防ぐ規制を導入

中国政府が海外への資金流出を抑制する新規制を導入しました。

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どういった内容でしょうか??

資金流出が加速した場合、海外送金や外貨売却が多い銀行の評価を引き下げる新ルールを適用します。

また、不動産会社には借り換え目的以外の外債発行を禁じました。

当局も、元安に歯止めがかからない状況は回避するため、細心の注意を払っているのでしょう。

金利自由化??まだ遠い

2019年8月20日、中国人民銀行は、新たに始めた銀行貸し出しの新たな指標金利(ローンプライムレート、LPR)について説明し、その際「市場化」という言葉を多用しました。

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LPRとは何でしょうか??

LPRは優良企業向けの最優遇貸出金利です。

いまは国務院が決める基準金利が銀行の貸出金利に強い影響力を持っていますが、今後はLPRをもとに実際の融資金利が決まります。

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何が一番の違いですか??

基準金利は政府が恣意的に決める一方、LPRは18の銀行が報告する値を平均して算出するので、より市場化したと当局は説明します。

しかし、それは表向きで、結局新たな基準金利をつくるだけに終わる可能性も強そうです。

まず、LPRの算出時に参照するのが人民銀行が大手銀行に短期資金を融通する「中期貸出ファシリティー(MLF)」の金利であること。

各行はこの金利にスプレッドを上乗せして貸出金利を出すわけですが、ベースレートとなるMLF金利の算出根拠が不透明なのです。

加えて、銀行が資金調達する際の預金金利は厳しい規制を残すこと。

人民銀行は預金については基準金利を残すとしています。

つまり、預金の金利を当局が管理するということ。

自由金利の国では、そうはなりません。

銀行の貸出金利は資金調達コスト等を勘案して決まります。

貸出金利の市場化には資金調達時の預金金利も市場化する必要がありますが、預金の規制を残すと結局意味がありません。

最後に、貸出金利の不正を調べるのが「市場金利設定自律機構」である点です。

中国には貸出金利の下限を基準金利の0.9倍にする暗黙の慣行があるようです。

そして、基準金利の0.9倍を下回らないよう銀行を指導してきたのが同機構なのです。

同機構は預金金利が上がりすぎないようある種の談合に目をつぶる一方で、同じ組織が貸出金利では競争を促しているわけです。

上手くいくわけがありません。

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