フィリピンの中間選挙が2019年5月13日に行われました。
ドュテルテ大統領といえば、麻薬撲滅のために超法規的な措置を取って人権団体から痛烈に批判されたりしているのが印象として強いですが、経済財政策や外交政策はどうなっているのか、あまり詳しく報道はなされておらず、まとめられたりはしていません。
そこで、ここではスポット記事として2019年フィリピンの中間選挙の経緯とドュテルテ大統領の政策の概要を簡単にまとめたいと思います。
ドゥテルテ大統領の政策についての概要
財政政策や・貿易政策は、基本的に前政権から引き継いでおり、大きな変更をしていません。
マクロ政策はこれまでのやり方を踏襲していた事もあって、トルコとかの様な経済政策のまずさでずっこけるといった事はあまりありません。
ただ、人権的な観点等で海外投資家が懸念しているといった所でしょう。
外資規制緩和による産業の競争力強化は力を入れている政策の一つです。
フィリピンの産業は未だ軽工業が中心で付加価値創出があまり出来ていません。これをいかに克服化するかというのが長年の課題の一つです。
またインフラ投資支出を通じた国土の発展も重点政策の一つです。しかし、政治的な理由から遅れがちになっており、なかなか好循環に行きません。
インフラ投資が進まない⇒産業集積進まない⇒海外企業も進出しにくい といった悪循環となっているようなところがあります。
2019年のフィリピン中間選挙の経緯
ドゥテルテ派の圧勝で早くも2022年の次期大統領選挙の話題
ドゥテルテ大統領一派の圧勝を受けて、待ちきれない人たちが2022年の大統領選へ早くも動き出したようです。
次期大統領有力候補にドゥテルテ大統領の長女が急浮上しているのです。
一方、現職大統領であるドゥテルテ大統領が改憲で再選を目指すとの臆測も根強くあるようです。
フィリピンの政治は、特に大きなスキャンダルがない限り、ドゥテルテ一家を中心に今後動いていくかもしれません。
ドゥテルテ大統領一色の政治に
2019年5月の選挙でドゥテルテ大統領派は圧勝しました。
同大統領に対する評価は海外を中心に厳しい一方で、同国経済は堅調な景気拡大を続け、薬物犯罪取り締まりの強化によって治安改善も実現され、国内での支持率は81%と過去最高を更新していました。
そして、最終的には事前予想を上回る形で選挙戦に勝利を収めました。
影響力が大きい議会上院改選では、「反ドゥテルテ派」が全滅し、ドゥテルテ大統領が支持する候補が次々に勝利しました。
議会下院選でも与党及び連立政党が過半数を上回るなど、同大統領の政権基盤は隙が無いレベルになりました。
今後は立法を伴う構造改革が行いやすくなると思われ、ドゥテルテ氏が目指す連邦制導入に向けた改憲議論や、死刑制度導入、輸出企業優遇撤廃などの動きに繋がると予想されます。
一方で、大統領任期の撤廃に動くとの見方もくすぶり、若干の警戒感も出てきています。
特に、大統領の「懐刀」と目される長女サラ氏はダバオ市長選で再選を決めていて、政党立ち上げなどで存在感を示しています。
報道では、ドゥテルテ大統領は、次の大統領としてサラ氏を擁立したいと考えているともされていて、ドゥテルテ家の事実上の独裁の様な色彩が強くなっていく事も懸念されています。
2019年5月、ドゥテルテ派が圧勝
2019年5月13日に行われた統一国政・地方選挙の大勢が14日判明し、ドゥテルテ大統領を支持する勢力が上院で圧勝したようです。
ドゥテルテ氏は2022年までの任期後半も議会への影響力を維持する予定で、最重要課題に掲げる連邦制などの実現に向けて弾みを付けました。
政権運営を左右する上院では12議席のうち、ドゥテルテ氏に近い候補が9議席を獲得しました。
最側近がその9議席には入っており、残る3議席の人も政権寄りの立場を取っているようです。
2019年5月、中間選挙終盤戦でも大統領派が優勢
2019年5月13日、フィリピンで統一国政・地方選挙(中間選挙)が行われますが、発言力の大きい上院では、ドゥテルテ大統領を支持する候補者が優勢を保ち、少数の反対派は苦戦を強いられているようです。
支持派が議席を伸ばせば、ドゥテルテ氏の議会に対する影響力は増すでしょう。
強権体制がより強まるとなると海外投資家は不安に陥りますが、トルコのエルドアン氏などを見ている事もあり、ドュテルテ大統領についてはそこまでまだ懸念が強くなっていない事がまずい所です。
2019年2月 中間選挙は引き続きドュテルテ派に勢い
2019年5月に行われる統一国政・地方選挙の選挙運動が2019年2月12日解禁されました。
大統領任期6年の半ばにあることから中間選挙と呼ばれています。
ドゥテルテ大統領は引き続き高い支持率を維持していて、議会選でも同氏を支持する候補者に勢いが出ているようです。
今回の中間選挙は上院の半数(12議席)と下院(約300議席)、全国の州知事、市長らを選ぶものです。
注目されるのが全国区選出で発言力の大きい上院で、直近ではドゥテルテ氏を支持する候補者が優勢にあるようです。
2018年10月 ドュテルテ大統領の側近が中間選挙に出馬
2018年10月、2019年5月に行われる中間選挙の候補者登録が締め切られました。
政権運営に影響を与える上院選にはドゥテルテ大統領の側近の特別補佐官や報道官、前警察長官が出馬する予定で、現状少数の反政権派の議員がさらに減る可能性があります。
側近が当選となれば、ドゥテルテ氏が6年任期の後半も求心力を保ち、強権支配を続けるとの見方が出ています。
直近の世論調査では、当選圏に入っている上院選候補者は、そのほとんどがドュテルテ大統領支持派です。
このままいくと、反ドュテルテ大統領の一派は更に窮地に陥ってしまう可能性があります。
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