フィリピンペソ・フィリピン株への投資 考えるべきポイント

このブログは、

  1. 相場に左右されずに
  2. 気長に忍耐強く

フィリピンへ投資する人たちのための情報提供ブログです。

特に、

  1. フィリピンへの投資に興味があって基本的な情報を網羅的に学びたい人、
  2. 既にフィリピンに投資をしているが大きな含み損を抱えていて一旦冷静に状況を再確認したい方

を想定しています。

筆者はバリュー平均法なる方法でフィリピンに投資をしている個人投資家です。既にそうした方法で投資をして5年くらいです。

ずっと投資し続けています。

フィリピンは若い人が多くて長く持てば成果を得やすい国ではないかと思っています。

大きな流れをつかむための情報をここで積極的に提供していきたいと思っています!

フィリピンの金融政策に特化した記事は↓をご参考下さい。

フィリピンの金融政策の経緯とまとめ2019

フィリピンペソとフィリピン総合指数(株式)のチャート

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まずはチャートからです。

【直近5年のフィリピンペソとフィリピン総合指数の動き(出所:TradingView)】

左上にPHPJPYと書かれてあるのがペソー日本円のチャート、PSECがフィリピン総合指数です。


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フィリピンペソは2022年までずっと低いレベルでウロウロしている感じでした。しかし、2022年後半からは日本円の独歩安によって対円で見るとペソも上昇しています。

2006年から2020年台までの推移を見てみましょう。

【2000年~2023年4月初旬までのフィリピン総合指数の推移(出所:TradingView)】

ここまで遡ると、投資妙味がありそうな感じがしますが、2000年というと23年前なので、少し時間がたちすぎています。

2022年から逆算して10年前、2012年に投資をしたとすると、大体インデックスベースでは50%強の儲け(現地通貨建て)が出ているといった所でしょうか。

2008年のリーマンショック後に一気に落ちた後、しっかりと下値で買い続ける事が出来ていたならば、その後8年程度は現地通貨ベースでは上昇を謳歌することが出来ました。

フィリピンは工業化がなかなか思うように進まないものの、やはり経済成長に必要な諸条件は比較的そろっているため、政治的な不安定ささえなければ、引き続き長期的な視点では上昇を期待できると思われます。

直近のフィリピン株式の状況

2023年2月は経済は好調なものの、下落トレンドとなりました。

【2023年2月のフィリピン総合指数の推移(出所:TradingView)】

 

フィリピンの金利

フィリピンの政策金利は2023年4月時点で6.25%です。

0.25%の利上げ

フィリピン中央銀行は3月23日の金融政策決定会合で、政策金利の翌日物借入金利を0.25%引き上げ、年6.25%にしました。

利上げは2022年7月の緊急会合を含め9会合連続となりますが、引き続きインフレ率が高止まっており、物価高の抑制につなげる狙いがあります。

【直近5年の政策金利の推移(出所:TradingView)】

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フィリピンの金融政策に特化して記述している記事がありますので、そちらもご参考ください!
フィリピンの金融政策の経緯とまとめ

フィリピン株式への投資

フィリピン株式のチャートはこの記事上部にあるチャートをご確認ください。

フィリピンへの投資は固定資本形成・インフラ整備による成長ストーリーが一般的であり、筆者もそこにベットして投資をしています。

ただ、高い潜在力の割に経済政策がまずいためか、ここ5年ほどはなかなか思い切りよく上がってくれるという感じではありません。

【2018年3月~2023年3月までの5年間のフィリピン総合指数の推移(出所:TradingView)】

©Trading View

フィリピン株式への投資のポイント

筆者自体がフィリピン株式への投資(フィリピン総合指数のインデックス投資)をしていますが、ここ5年の上昇力は、フィリピンの潜在能力からすると少し迫力が弱いと感じています。

一つは潜在能力を活かし切れていない経済政策もあるでしょう。

平均年齢が若く英語もしゃべれるのに、経済の底力を付けるための製造業などがなかなか育っていかないのです。

また、フィリピンの上場銘柄数は300に届かず、財閥系企業が時価総額の大半を占めていることにも注意しておくとよいでしょう。

より長い10年というスパンで見ても、2022年現在で指数ベースでは、大体50%程度の上昇となっており、株への投資という意味では少し物足りないところです。

潜在力は高いので、ポートフォリオの中に入れておくのは良いのですが、これまでの実績を見ると、大きな期待はそこまで出来ないかもしれません。

フィリピン株式のETF

執筆中

フィリピン債券への投資

フィリピンの国債や社債は現地には当然存在しており投資できるのですが、日本人が日本にいたまま投資をするのはなかなか難しそうです。

フィリピン債券ファンドについても、調べる限り株ファンドは見つけられますが債券ファンドはなかなか見当たりません。

現地に行って証券口座を開いて投資をするのが一番なのかもしれませんが、あまり現実的ではないかもしれません。

債券ファンドだとまだ他の新興国から始めるのが良いのかもしれません。

ブラジルのブログ

トルコのブログ

因みに、利上げをしている国は以下のメキシコです。

メキシコのブログ

フィリピンのリート市場

2020年8月、フィリピンで第1号となるREITをアヤラ財閥系が上場させました。海外マネーも活用しながら、新型コロナウイルスの影響が広がる中でも成長を続ける業務受託ビジネス向けの需要に商機を見いだしているようです。

REIT市場の発足で、資金調達手段が多様化し、新興勢力などとの競争が激しくなりそうです。

2009年に制定されたREIT法の要件が1月に緩和されて初の上場となりました。

アヤラ以外でも積極投資で急成長する新興のダブルドラゴン・プロパティーズもREITを10月に上場し、約170億ペソを調達すると発表したりしています。

フィリピンで外国人はコンドミニアムなどの区分所有を除き不動産取引は制限されており、REITを通じて外国人が不動産に間接投資することで新たなマネーが市場に流入するようになりそうです。

投資信託の選び方

フィリピン株式のファンドは数が限られているので、そこまで選ぶ大変さはないかもしれません。

しかし、海外株式に投資をする投信では、やはり外資系の運用会社の商品か、国内の運用会社でもしっかりとフィリピン株式の調査が行える体制を整えているか、そういった体制を持っている所に外部委託している商品かどうかを見る事が大切です。

信託報酬が若干高くなる傾向にありますが、信託報酬の高さばかり気にして、肝心のリサーチ体制やパフォーマンスを置き去りにしてはいけません。

日本株運用をするときは日本の運用会社の方が良いのと同じように、海外の資産で運用を行う際は、その国にしっかりと根を張って運用できる体制のある会社に託すのが良いのではないかと思います。

加えて個人的に重視しているのはレポートの充実です!投資する前も投資した後も質の高いレポートがたくさん出ている事は大切ですね。特にしっかりと相場観を記している所は重宝するものです。

フィリピンの経済ってどんなもの

フィリピンの人口

フィリピンの人口は1億人ちょっとです。出生率は2.94人と、かなり高めです。このブログの中で紹介している国の中でも一番高いと思います。今後労働人口もどんどん増えていきますので、経済規模もどんどん拡大していくでしょう。中長期的な投資対象としてとても魅力的な国だと思います。

フィリピンのGDP

フィリピンのGDPは4,000億ドル弱です。

【直近5年のGDPの推移(出所:TradingView)】

©Trading View

まだまだ規模としては小さいですね。

まだまだこれから伸びていく国であるという事でしょうか。

フィリピンの産業

フィリピンも他の東南アジア新興国と同様に基本的には農業国です。全人口の約40%が第一次産業に従事していると言われています。

フィリピンで有名なのはビジネス・プロセス・アウトソーシング (BPO)でしょう。

特にコールセンター業が有名で、労働力が安価であることと教育水準が高いことに加えて、殆どのフィリピン人が英語に堪能な為欧米企業に人気があるようです。

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2010年にはインドを抜いて世界最大の委託先となっています。

フィリピン経済は出稼ぎ労働者からの送金がとても多い事でも知られています。

送金額はGDPの1割近くに上るなど、長年にわたりフィリピン経済は出稼ぎ労働者に支えられてきたと言っても過言ではありません。

インフラ整備が課題

この国の潜在力が大きい事は事実としてありますが、インフラの不足はその潜在力の発揮にブレーキをかけています。

産業基盤が脆弱なため、アジアのサプライチェーンにほとんど組み込まれていません。

米中貿易摩擦の影響で工場の移管が盛り上がっているベトナムと違い、中国から生産が移管される恩恵も小さくなっています。

インフラのレベルはスリランカも下回っていると言われており、これらの整備が喫緊の課題です。

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それゆえ、そこを解決すると一気に経済成長にエンジンがかかる、とも言えます。

この時にネックとなっているのが労働力不足です。

どうやってインフラ建設のための労働力を確保するかが悩みの種となっていて、海外への出稼ぎ労働者を呼び戻し、必要な労働力として働いてもらう、といったアイデアも出ているくらいです。

インフラ投資で欠かせないのが海外からの投資なのですが、これについては少し不安材料もあります。

以下に記すように、ドュテルテ大統領の政治手法について欧米との溝が深まっており、2017年の外国からの直接投資額は1056億ペソ(約2200億円)と前年から半減しています。

更に、政府は輸出型企業への優遇税制も縮小する方針とみられ、このままでは中長期的な成長に水を差しかねません。

ドゥテルテ大統領、インフラ事業で起死回生を狙う

2020年6月、ドゥテルテ大統領の残りの任期が2年を切る中で、治安改善と並ぶ看板政策のインフラ整備の加速に再び取り組んでいます。

南シナ海問題を棚上げして取り付けた中国からの支援事業も遅れており、日本の援助や民間資金に活路を見いだしたいようです。

ドゥテルテ氏は4年前の就任後、インフラ整備が軸の成長戦略を描いていました。

総額8兆ペソ(約17兆円)で空港、鉄道、道路、港湾などを全国で整備し、地域間格差を縮めるという計画です。

ただ、実際に100件の優先事業のうち19年末時点で着工済みはまだ35件程度です。

この要因は中国からの支援が思いのほか遅れている事にあります。

中国との南シナ海の領有権争いを棚上げし、中国マネーを求めたドゥテルテ大統領でしたが、報道によると、中国側が約束した計90億ドルの事業規模のうち、実際に契約までこぎ着けたのは合わせて3億ドル弱にとどまり、中国に良いとこどりされた状態になっているようです。

この穴埋めをする為にドゥテルテ政権は民間資金も活用しだしました。

大手財閥が計画する新空港の建設やマニラの国際空港の拡張も、財閥連合に期待しているようです。

ドゥテルテ政権での成長率は前政権と遜色ないものの2020年については新型コロナでマイナス成長を見込んでおり、それを元に戻すためのエンジンが必要です。

フィリピンの政治

フィリピンは大統領を元首とする共和制国家です。

大統領と副大統領は、直接選挙により選出され、任期は6年、再選は禁止されています。

議会は、上院と下院の二院制で、上院は、24議席で任期6年。

3年ごとに半数改選され、下院は、214議席(憲法上は250議席までOK)です。

選挙は、2007年など3で割り切れる年に行われます。

フィリピンの大統領

2022年の5月に大統領選挙が行われ、新しい大統領が選出されました。

新しいフェルディナンド・マルコス元上院議員が事前の予想通り圧倒的な差で選出されました。

予想される今後の主要政策は、

  1. 新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた経済の立て直し
  2. 治安面では超法規的殺人も辞さない強硬な麻薬対策、外交面では中国に対して融和的なドゥテルテ現大統領の路線を踏襲する
  3. デジタル環境にも踏み込んだインフラ整備の推進

ただ、有権者が期待する景気回復と所得増では具体策を示していません。

同氏に投票した有権者の多くは1986年までの約20年間、開発独裁で国を富ませた父親の元大統領に郷愁を感じているようです。

期待にこたえられなければ失望も広がりやすいと言えます。

1 COMMENT

Malcom Gherman

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