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この記事では日米のTAG交渉(日米物品貿易協定交渉)についてのニュースにをまとめていきます。
他の記事の通り随時更新し、新しいものが上に来るように編集をしていきます。
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二国間貿易交渉に至った経緯
まずは、そもそもなぜ日米の二国間交渉が始まったかの確認です。
2018年4月、日本はトランプ氏との会談で新たな通商対話の枠組みを提起しました。
元々はアメリカのTPP復帰のきっかけとする目的だったのです。
しかし、話していくうちに安倍首相はトランプ氏との関係を考慮し、しっかりと二国間で話し合いをした方が良いと考えるようになったと言われています。
そして、「物品」に絞った2国間交渉にカジを切りました。
2018年9月には貿易協定交渉入りで合意し、2019年4月に閣僚級協議が大幅な遅れをもってスタートしました。
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当初より、日本が最低限の目標としたのは自動車分野の高関税と数量規制の回避、農産品の市場開放をTPP水準で食い止めることでした。
もしアメリカに輸出する日本車に25%の関税が課されれば、日本の自動車産業は壊滅的な打撃を受けます。
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日本政府はアメリカとの交渉が始まって以降、国内の自動車メーカーとも水面下で調整し、メーカー側の意向、つまり追加関税と輸出数量規制の回避が最重要との意向を確認した上で交渉を進めたのです。
2020年1月
日米貿易協定が発効
2020年1月1日、日米双方の関税を削減・撤廃する日米貿易協定が発効しました。
日本は今回の日米貿易協定とTPP、現在交渉が大詰めを迎える東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への相乗効果で、東アジア全体の自由貿易圏拡大の主導役として影響力の拡大を目指します。
また、中国と経済面での連携を強め、中国に自由で公正なルールづくりも促していく予定です。
2019年12月
参院本会議でも成立
2019年12月4日、日米貿易協定が参院本会議でも承認されました。
これによって2020年1月1日から順次適用になる予定です。
政府が70%を目標とする経済連携協定(EPA)締結国との貿易額が日本の貿易総額に占める割合は約37%でしたが、今回の日米協定を加えると約52%に高まります。
ただ日本からアメリカへの自動車と同部品の関税削減・撤廃は引き続き交渉課題として残っています。
2019年11月
衆院本会議で可決
2019年11月19日、日本の衆院本会議で日米貿易協定の承認案が可決されました。
与党側は12月9日の会期末までの参院承認、来年1月1日からの発効を目指しています。
今後は米国による自動車・部品関税の扱いが焦点になるほか、アメリカ側が求めるサービス分野も含めた広範な自由貿易協定締結についての議論が注目を集めていく事でしょう。
まずは交渉再開の時期や内容が注目されます。
2019年10月
サービスや金融が次の焦点に?
2019年10月24日、日米貿易協定の承認案が衆院本会議で審議入りしました。アメリカは自動車に限らない包括的な交渉入りを迫る構えで金融や通信などサービス分野も争点に浮上しています。
政府は10月25日以降、委員会で実質審議入りし、11月上旬の衆院通過を目指しています。
ただ、協議の焦点は協定発効後の第2弾交渉に集まったようです。
アメリカが日本車に課す2.5%の関税撤廃はそこで決まるからです。
第二弾の交渉が本格開始するタイミング
日米両政府は20年春にも第2弾交渉の範囲を定める予定です。
日本の関心は自動車ですが、アメリカは交渉範囲を幅広くとらえているようです。
アメリカ側は農産品など物品貿易の交渉は終わったとして、薬価制度の見直しやサービス分野の市場開放に焦点を移してくる可能性もあります。
農業生産、最大1100億円生産減少
2019年10月18日、日本政府は日米貿易協定の経済効果の試算を示し、それによると国内の農林水産物の生産減少額は約600億~約1100億円と見積もっているようです。
牛肉や豚肉、乳製品で、アメリカ産の輸入拡大が見込まれる影響が大きくなります。
品目別にみると
- 牛肉で最大474億円、
- 豚肉で同217億円、
- 乳製品で同246億円
の減少を想定してます。
これは、アメリカがTPPから離脱する前に日米両政府で決めていた関税撤廃・削減の内容と比べると、生産減少額が約100億円少ない水準です。
ただ、これは日本産の水産物などを関税削減・撤廃の対象から外したためとされています。
協定案、自動車関税が焦点に
現在臨時国会で提出された日米貿易協定で、自動車関税がどうなるかについて国会で議論されています。
政府側は
「関税撤廃がなされることが前提だ」
と説明しています。
野党は
「関税撤廃は約束されていない」
と批判しています。
現在アメリカが日本産の自動車や自動車部品に課している2.5%の関税撤廃は承認案で継続協議となっていますが、交渉を担当した茂木氏は
「(英語表記は)関税撤廃を前提としたものと解釈ができる」
としています。
これに対して国民民主党の玉木雄一郎代表は
「『さらなる交渉』であって、関税撤廃が約束されているわけではない」
また、野党側は90%程度の関税撤廃率を目安とするWTOのルールにも違反していると指摘います。
日本政府によると、今回の貿易協定の米国側の関税撤廃率は金額ベースで約92%ですが、継続協議になった自動車・自動車部品を除けば6割程度になるのです。
BREXITの様に国内の承認で手間取るという事はないと思いますが、どこまでを諾とするかは難しい問題で、議論になりそうです。
自民党、日米貿易協定を了承
2019年10月9日、自民党が日米貿易協定案を了承しました。
政調審議会と総務会で党内手続きを終える予定です。
この後、政府・与党は10月15日の閣議決定と国会提出を想定し臨時国会での承認を目指します。
日米貿易協定、閣議で署名する事を決定
2019年10月7日、政府はアメリカとの日米貿易協定に署名すると決定しました。
協定案は臨時国会に提出され、承認されれば2020年1月1日に協定が発効する事となります。
安倍首相、アメリカとトウモロコシ購入を約束した事実を否定
2019年10月7日、安倍首相は衆院本会議で、アメリカとトウモロコシ購入で約束・合意した事実はない、と述べました。
首相によれば、トランプ大統領と
「害虫の被害拡大により、代替飼料を民間が前倒し購入する。トウモロコシはその多くが米国から購入されているため、(米国産トウモロコシの)前倒し購入が期待されるが、(大統領と)購入を約束や合意した事実はない」
との事です。
この問題がどの様に影響していくかはまだ未知数です。
貿易協定、来年1月発効の可能性強まる
日米貿易協定が10月4日召集の臨時国会での承認を経て、2020年1月に発効する見通しが強まってきました。
茂木外相は
「米国が2020年1月1日に発効したいのであれば異存はない」
とコメントしています。
9月下旬の日米首脳会談での合意後、USTRのライトハイザー代表も2020年1月に発効したいとの考えを示していました。
日本政府、国内対策に着手
2019年10月1日、日米貿易交渉が9月に最終合意したのを受けて、農業分野などでの国内対策の検討に着手しました。農産品の輸出支援などが軸になる見通しのようです。
基本方針は、
- 海外展開を進める日本企業や日本産品の新たな市場開拓を促す
- 各協定の効果を最大限いかし、国内産業の競争力を強化する
- 農林水産業の生産基盤を強化するとともに新市場開拓の推進など万全の施策を講ずる
の3つが軸となるようです。
2019年9月 貿易協定、最終合意
与党は交渉内容を評価、野党は攻勢強化
貿易協定をめぐり与党内から評価する声が上がる一方、野党からは日本だけ譲歩した悪い合意内容だとして攻勢を強めようとしています。
自民党の森山裕国会対策委員長は、TPPの関税水準と同じ内容になった牛肉や豚肉などを念頭に
「よい交渉だったと思っている。できるだけ早く内容を(国会で)開示するのが大事だ」
とコメントしています。
一方、立憲民主党の安住淳国会対策委員長は
「生産者や消費者にどれくらい影響があるか相当深掘りしないといけない。予算委員会の集中審議開催はマストだ」
と強調し、攻勢を強めていく姿勢を明確にしました。
日本政府、国内農家支援策を強化
日本政府は今回の日米貿易交渉の合意を受けて、新たな国内対策を検討します。
国内農家を支援しつつ、輸出の推進といった「攻め」の農業支援もします。
具体的には子牛の共同育成施設の設置や現場への機械導入などを通じ、畜産業のコスト削減を進めたり、アメリカへの輸出環境が整うことを受け、国産牛肉の海外展開も支援したりする予定です。
日米デジタル貿易協定も合意
2019年9月25日、日米はデータの流通促進に向けた新たなルール「日米デジタル貿易協定」で合意しました。
人工知能(AI)などのアルゴリズムについて、国が企業に開示を求めるのを原則禁じます。
データを扱う企業が安心して海外進出できる環境を整えるというものです。
開示要求の禁止はアルゴリズム以外に、機器を動かすソフトウエアのソースコードも対象になります。
ただ、独占禁止法や個人情報保護法、消費者の安全に関わる問題が起きた場合などに、国が開示を求めることができる例外規定も設けられています。
日米貿易協定の主な内容
日米貿易協定は最終的な合意が取り交わされましたが、その内容はどうなっているでしょうか。
農産物については、アーモンドとブルーベリー、スイートコーン、モロコシ(ソルガム)を含む13億ドル相当の米農産物の関税を撤廃するとし、エタノールやチーズ、乳清、冷凍鶏肉、オレンジなどの産品に対する関税も撤廃され、72億ドル分が関税撤廃や関税引き下げの対象になります。
既に52億ドル分は関税がゼロになっており、自由化の範囲が大幅に拡大する形です。
因みに今回の合意ではコメは除外されています。
一方のアメリカは緑茶など日本産の農産品の関税を引き下げるほか、工業品も一部機械や自転車などの関税を削減します。
アメリカ政府は今回対象とならなかった分野について、
「数カ月後に追加の交渉に入る」
と声明で発表しました。
日本にサービス分野などの市場開放を求め、自由化交渉を継続する考えです。
具体的には医薬品制度やサービス分野、非関税障壁の見直しです。
日本が気にする自動車についてですが、アメリカはTPP交渉で、日本から輸入する乗用車の関税(2.5%)を25年かけて撤廃することで合意していました。
USTRのライトハイザー代表は、
「今回の協定に自動車の関税引き下げは含まれていないが日本が強い関心を持っている事も分かっている」
とコメントしています。
一筋縄でいくとは思えませんが、事態を見守る事にしましょう。
自動車への追加関税の回避は?
9月25日の共同声明において、日本側が求めていた自動車の追加関税の回避は、
「両国は協定が誠実に履行されている間、協定及び共同声明の精神に反する行動はとらない」
と記す事で担保されました。
茂木外相は首脳会談後の記者会見で
「追加関税を課さない趣旨であることは首脳会談でトランプ氏に明確に確認した」
と説明しました。
更に、自動車輸出の数量規制については共同声明や協定案で言及はなかったものの、茂木氏は記者会見で
「ライトハイザー氏に日本は適用外だと明確に確認した」
と明らかにしました。
最終合意した事の共同声明に署名
2019年9月25日、日米両首脳はニューヨーク市内のホテルで日米貿易協定の最終合意を確認し、共同声明に署名しました。
協定は
- 工業品
- 農産品
- デジタル貿易ルール
の3分野で構成されます。
アメリカ向けの自動車や自動車部品の関税は撤廃する方針を明記する一方で、撤廃時期は明示せず、事実上の先送りとなっています。
自動車については、この貿易協定の発効後、4カ月以内に新たな貿易交渉の対象範囲を決める予定となっています。
自動車など継続協議になった品目のみを対象とします。
トランプ大統領は
「遠くない将来に日本とまさに包括的な取引をしたい」
と新交渉にも意欲を示しています。
トランプ政権は日本と結ぶ貿易協定で、特例措置を発動して2019年中の早期発効を目指しています。
議会への通知や承認などの手続きを省いて、2020年の大統領選前に農畜産品の対日輸出を早期に増やす狙いがそこにはあります。
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早期発効にこだわるのは、米中貿易摩擦やTPPからの離脱でアメリカの農畜産品の輸出が落ち込んでいるためと思われます。
それはそのまま大統領選挙に直結します。
日米首脳会談での署名に間に合わず
今次日米首脳会談で予定されていた貿易協定への署名は行われないとの報道がありました。
元々安倍総理大臣とトランプ大統領は9月25日に行われる首脳会談で正式な文書に署名することを目指していましたが、法的な審査が遅れているため見送る方針との事です。
日本側の説明によれば、アメリカ側が繰り返し文言の修正を求めたことで遅れが生じたという事で、交渉決裂とかそういった事ではないようです。
首脳会談を前に最終調整
2019年9月25日に日米両政府は首脳会談を開き、貿易協定案の署名を目指しています。
日本は、
- アメリカが自動車の追加関税をかけない確約
- 輸出数量規制を設けないこと
- コメの輸入では無関税枠をつくらない
といった点で最中調整をしているようです。
日本政府は首脳会談後に貿易協定の内容を公表する見通しです。
日米首脳会談で署名か
2019年9月16日、トランプ大統領は、関税障壁などに関して日本と合意に達したことを明らかにしました。
数週間以内に、日本と協定を結ぶ意向を議会に通知し、包括的な貿易協定に向けて交渉を継続する方針も示しました。
9月25日に日米首脳会談が開催されますが、ここで署名する事をアメリカ側は期待しているようです。
9月末を目指して引き続き当局で議論
日米貿易協定は、詰めの作業が9月に入っても引き続き続いているようです。
安倍首相は9月下旬に国連総会に出席するためニューヨークに行く予定ですが、その際にトランプ大統領と日米貿易協定に署名することを目指しています。
協定は大枠について合意したものの、日本の農産物輸入の水準感、工業品関税の引き下げ、デジタル取引の取り扱いなど、中核部分の多くについて日米当局者が最終的にまとめている状況です。
2019年8月
茂木氏、自民党に交渉結果を報告
2019年8月29日、茂木氏は自民党の会合で、日米貿易交渉について報告しました。
「国益を守り、バランスのとれたとりまとめができた」と説明し、出席者から異論は出なかったようです。
農産品の関税下げに関して、TPPを念頭に「過去の経済連携協定の範囲内だ」と述べ、TPP未満の関税下げにとどまる品目があるとの認識も示しました。
茂木大臣、自動車業界の懸念払しょく
2019年8月27日、茂木氏が今回の貿易交渉の結果が自動車業界にとってマイナスにはならないとの見方を示し、トランプ大統領の発言関係で、日本車への追加関税問題について、日米通商交渉の仕上がりの段階できちんと対応したいとの見解を示しました。
この問題を巡っては、トランプ米大統領が8月26日に日本の自動車に対する輸入関税引き上げは「現時点では」検討していないと述べていました。
日本製自動車への関税引き上げは「現段階」では検討せず
2019年8月26日、トランプ米大統領は日本の自動車に対する輸入関税引き上げについて、現時点では検討していないと述べました。
従来から、国家安全保障を脅かすおそれがある場合に輸入制限を認める法律に基づいて自動車への関税引き上げを検討していると言われていましたが、日米貿易交渉も妥結が見えて、そうする必要がなくなったという事でしょうか。
一先ず胸をなでおろした人も多いでしょう。
9月末をめどに合意内容署名へ
G7で日米首脳会談が行われ、日米貿易交渉で基本合意しました。
両首脳は9月下旬に交渉を決着させ、国連総会が行われる9月下旬に日米首脳会談を開いて合意文書にサインする形を目標にしています。
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これには両国の思惑が一致したようです。
早期に範囲を絞って妥結し、過度な要求を避けたい日本と、来年の大統領選を控え成果を急ぐアメリカの思惑が一致した、という事です。
ライトハイザーUSTR代表が今回の合意で70億ドル以上の市場開放につながるとの考えを示したほか、安倍首相が貿易協定とは別に、アメリカ産の飼料用のトウモロコシを購入する考えをトランプ氏に伝えたりもしています。
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日本が米国産牛肉にかけている38・5%の関税は段階的に引き下げられ、2033年4月に9%になる予定です。これはTPPと同水準で、アメリカはTPP参加国と競争条件がそろう事になります。
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今回は農業、工業、デジタル分野がカバーされますが、アメリカが日本製の自動車に課している関税は、今回の合意で変更はありません。継続協議となっていますがどこまで攻め込めるかが課題かもしれません。
閣僚級会合終了、進展があった模様
8月21日から3日間にわたった日米通商交渉の閣僚級協議が終了しました。
茂木氏は「大きな進展をみることができた」とした上で、フランスで開かれる日米首脳会談にて「今後の議論の進め方やスケジュールが発表される」と話しました。
この閣僚級会合が一つの大きな分岐点だったことが2019年9月に分かりました。
ライトハイザー氏はこれまで、TPPを超える乳製品などの低関税枠の新設要求を続けてきて、なかなか厳しい交渉となっていました。
しかし、それを急に取り下げ、日米の事務方は大枠合意に至ります。
日本の交渉関係者も「びっくりするぐらい急に降りてきた」と振り返っています。
この時、アメリカの農業団体から「とにかく早く日本との協定をまとめてほしい」との声が上がり始めていたようです。
TPPは米国抜きの11カ国協定として2018年12月に、EUとの経済連携協定も2019年2月にそれぞれ発効し、牛肉や豚肉などを生産する米国内の農家は時間がたつにつれ、関税面で日本市場での競争力が低下していたのです。
茂木氏とライトハイザー米通商代表との交渉は「恐らく今回が最後になる」とも述べました。
茂木氏は、進展の内容について日本の立場を理解してもらい、農業などの部分でも実のある競技が出来たとしました。
日米首脳は2018年9月、通商交渉は、農業分野で日本の譲歩はTPPの範囲内とし、自動車分野ではアメリカの生産・雇用拡大に資するものとするとの共同声明をまとめていて、今回はその内容に沿ったものだという事です。
21日に閣僚級会合、G7に地ならし
2019年8月21日、日米両政府は閣僚級協議を開きます。
8月下旬のG7で想定される首脳会談に向けて、地ならしを進める為です。
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日本の牛肉や豚肉、乳製品などの関税下げを巡って主張の隔たりがあるほか、アメリカ側は自動車関連部品の関税下げに慎重です。
これに先立ち、自民党の森山裕国会対策委員長らが茂木氏と面会し、農産物の関税下げなどについてTPP交渉などで妥結した水準以上の譲歩をしないよう要請しました。
最速で9月で妥結を目指す??
日米両政府は8月21~22日に閣僚級交渉をワシントンで開く予定です。
9月末に交渉を妥結し、年内にも協定を発効させる最短のシナリオも模索しているようです。
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自動車など立場に隔たりのある分野で妥協点を探ってもいるようで、アメリカ側もせめて日本だけとは成果を出したいと考え、前のめりになっているようです。
[say]なぜ9月末の妥結を目指すのでしょうか。[say]9月末妥結を目指す理由は、日本の国会日程がありそうです。
アメリカは貿易協定の発効に必ずしも議会承認を必要としないようですが、日本では国会のの承認が必要となります。
10月からの日本の臨時国会への提出を考えるなら、9月末の妥結が必要となるのです。
[say]臨時国会に提出できない場合は??臨時国会に提出できないと、来年の通常国会になります。
その場合、発効は2020年11月のアメリカ大統領選の直前です。
成果を早く選挙戦で誇示したいトランプ大統領にとっては待てないでしょう。
まずは最速シナリオの実現を模索し日米両政府が動いています。
もしかしたらアメリカが色々と妥協する事になるかもしれません。
閣僚級会合で重要品目を集中論議
2019年8月1日と2日、日米両政府はワシントンで貿易交渉の閣僚級協議を開き、自動車や農産品など重要品目の扱いを集中的に議論しました。
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閣僚級会議は6月以来です。
限定的な貿易協定の合意をまず目指す
日米両国が、貿易交渉でまず限定的な貿易協定で合意する事を目指しているようです。
その限定的な貿易協定には、
アメリカの農産物の対日輸出を拡大する一方で、アメリカによる日本車への関税の脅威を取り除くこと等を盛り込んだもの
になりそうです。
米中貿易協議の行き詰まりやUSMCA(新NAFTA)の議会批准も不透明感が増す中で、日米間では合意をしたいとアメリカ政府が考えれば、日本としても想定外に大きな妥協を迫られず、良い塩梅で妥結を迎えられる可能性があります。
2019年7月 参院選が終わり議論本格化
WTOルールを背にとって交渉も
日米は7月24~26日に事務レベル協議を開き、歩み寄りの余地が大きい品目について関税撤廃を協議し、一定の決着を目指しています。
茂木大臣とライトハイザー代表による閣僚級協議も8月中に複数回開き、日本が農産品の重要品目と位置付ける牛肉や豚肉、麦、乳製品のほか、アメリカ側が関税撤廃に慎重な自動車などは、閣僚間で事実上の決着を図りたい考えです。
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WTOには加盟国間の差別を禁じる「最恵国待遇」の原則があり、ある国に対して関税を下げる場合、他の加盟国に対しても同様に関税を下げなければなりません。
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FTAを結ぶ場合、WTOで定める「貿易の自由度」よりも自由化を高める場合に限って認められています。
貿易の自由度に明確な規定はありません。しかし、貿易額ベースで90%程度の関税撤廃が必要と受け止められているようです。TPPにおけるう日本の関税撤廃率は約95%でした。
実は、日米では既に関税が撤廃されている品目が物品全体の4割程度あり、ここに農産品の関税撤廃を加えてもWTOルールの90%には達しません。
日本は農産物の関税撤廃だけでなく、自動車関連部品も含む工業品に対象を広げなければ、90%という基準を達成できないとして、ルールを味方につけて、幅広く工業品の関税下げを求めていく予定です。
ただ、WTOの90%ルールは明文化されていません。トランプ大統領は「WTOに縛られない」と主張する懸念があり、どこまで交渉の有力な武器になるかは分かりません。
参院選終わり、日米交渉が本格化
日本の参院選が終わり、日米貿易交渉が本格化します。
まずは焦点となっている自動車など工業品や農産品の関税の扱いについて事務レベルや閣僚級での協議を加速させます。
ポイントは、重要品目で互いにどの程度、市場開放を認めるかです。
まずは実務者協議が7月24━26日に、アメリカワシントンで開かれる予定です。
基本合意に向けた道のりはまだ長いかもしれません。
9月の首脳会談で合意する可能性
日米貿易交渉について、両国が農産品と自動車で互いに譲歩する内容の通商合意に向けて協議を進めており、両国の首脳が9月にニューヨークで会う際に合意を締結する可能性があるとの報道がありました。
関係者の話によれば、
日本は農産品の市場を開放し、アメリカは日本製の自動車部品の一部について関税を削減する
という内容だそうです。
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2019年6月 G20で会談も、早期妥結は困難
安全保障と貿易交渉を天秤にかける??
2019年6月28日、日米首脳がG20が行われている大阪で会談しました。
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安全保障を「カード」に使うトランプ大統領は、大統領選を前に農業の日本市場開放で成果を挙げようとの思惑が垣間見えます。
日本政府は経済と安保が天秤にかけられる事を警戒しています。
アメリカが今後どの様なカードを出してくるのか、安保が絡んでくるとまとまる交渉もまとまらなくなる可能性があります。
G20直前に日米閣僚級協議
6月末のG20首脳会議の直前に日米で再度協議を行う予定であることが分かりました。
茂木担当大臣は早期に成果を上げたい点では一致していると述べ、参院選後に大筋合意を目指す意向も示しました。
日米で先に進めたい分野に隔たりがあり、早期妥結は困難
2019年6月13日、日米が閣僚級の関税交渉に入りました。
アメリカ側は農家が共和党の支持基盤なので農産品を先行させて合意したい構えです。
ここについては自動車など工業品を含めた物品全体での交渉を求める日本側と溝がありそうです。
トランプ大統領が求める早期合意はやはり容易ではなさそうです。
日本 | アメリカ | |
農業 | 参院選を見据え遅らせたい
TPPなどで認めた水準が最大と主張するものの、その定義があいまいで農家は不安 |
共和党の伝統的支持基盤である農家向けに、農産品で早期妥結した事を早くアピールしたい。 |
自動車 | 日本は農業と工業品の交渉をセットで進めるよう主張 | 合意を必ずしも急がない。
来年の大統領選での自動車産業の反応に不安 |
実務者協議を本格化
2019年6月10日、ワシントンで事務レベル協議を開きました。
- 最初に約9000に及ぶ関税の品目についてそれぞれの現状を本格的に擦り合わせ
- 6月13日に茂木大臣とUSTRのライトハイザー代表が交渉する
という流れの模様です。
事務レベル協議は5月に開いて以来、2回目になります。
アメリカは
- 過去のTPP交渉で認めた関税撤廃の品目や水準
- 日欧経済連携協定との違い
等にも関心を示しているという事です。
為替条項は引き続き大きな問題
日米の財務大臣が日本で行われているG20財務大臣会合に合わせて会談します。
為替についても議論する見通しで、両者の主張の隔たりから神経戦が続くと思われます。
ただ、日本が最後に為替介入したのは、東日本大震災の混乱が急激な円高を招いた2011年で、過去の介入では規模や時期を細かく公表している事から、日本としてどの様な為替条項も受け入れない考えです。
6月10-11日に実務者協議
日米通商交渉の実務者協議が6月10-11日にアメリカで開催されるようです。
日本側は、内閣官房や外務省、農林水産省、経済産業省の局長級が参加。
農産品や工業品の現状について、専門的な観点から議論を行うようです。
2019年5月 8月の交渉妥結報道が波紋
日本の譲歩で8月に大枠合意の可能性もあり
5月下旬のアメリカ大統領来日で、トランプ⼤統領がツイッター上で
- ⽇本との交渉では大きな進展がある
- 特に農業や⽜⾁は大きい
- 7⽉の⽇本の選挙の後まで待つことになるが、⼤きな数字が⾒込まれる
といった旨のコメントを発表しています。
これについて、日本は従来より、
- アメリカが⾃動⾞等の関税を撤廃・削減しなければ農産品の関税は下げない
- 農産品の関税引き下げはTPP⽔準が限度
と主張してきていますが、これについてもトランプ大統領は自分にTPPは関係ないとけん制してきています。
こうした中、考えられる一つのシナリオとして、
- ⽇本が⽶国産の⽜⾁など農産品の関税を引き下げる
- 一方で、⽇本から輸出する⾃動⾞等への関税引き下げなどについては継続協議とする
といった日本側の譲歩で終わる可能性もあると思われます。
そしてこの場合なら、トランプ⼤統領が発言した「8⽉中の⼤枠合意」も実現可能かもしれません。
「8月決着」が波紋
トランプ大統領の「8月発表」が波紋を広げているようです。
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実際は大枠合意後も細かい9000超の関税品目を詰める作業に時間がかかるため、最終妥結はもう少し先になると考えるのが普通です。そこで8月で妥結となったので、どうなるか困惑している人が多いのです。
普通は大枠合意から妥結まで少なくとも2~3カ月、長ければ半年以上かかるものです。それで2020年11月のアメリカ大統領選挙に間に合えばいいと考えていたのです。
トランプ大統領、「自分にTPPは関係ない」
日米は既にアメリカが求める農産品の関税下げについて、TPP水準を限度とすることで大筋一致している状況ですが、トランプ大統領は、自分はTPPと何の関係もない、としてTPP水準を限度とすることや日本が進める多国間の通商戦略と一線を画す姿勢を明示しました。
もしこれがそのままアメリカの方針だとすると、交渉は相当難航するかもしれません。
トランプ大統領、8月に決着
トランプ氏は日米貿易交渉について8月決着を念頭に、早期の結果を日本に迫りました。
今後、日米の駆け引きが激しくなるのは必至と思われますが、夏休みを返上しても8月に妥結というのはかなり厳しいと一部からは出ています。
結論は7月の参院選まで先送り
2019年5月26日、トランプ大統領は日本との貿易交渉について日本の7月の参院選まで結論を急がない旨表明しました。
今後の貿易交渉の進め方は27日の日米首脳会談で焦点の一つとなっています。
トランプ氏は夏の参院選への影響を避けたい安倍晋三首相に配慮した形ですが、ここまで選挙回避といわれると、逆に重大な材料を有権者に示さずに、物事を進めていて有権者軽視だとの批判が起きそうなものですが。。。
アメリカが人民元安誘導をけん制
直接的には日米交渉には関係ありませんが、アメリカが自国通貨安誘導についてけん制を始めています。今は中国ですが、将来的に日本円に対する為替条項の話に発展しうる話かもしれません。
5月の訪日で貿易交渉の話はせず
5月のトランプ大統領訪日時において、貿易問題に大きく焦点を当てない見通しであることが分かりました。
日米は貿易交渉を続けていて、要するにこの段階ではそこまで大きな進展はないという事でしょうか。
5月24日にライトハイザーUSTR代表が来日し協議
2019年5月24日にライトハイザーUSTR代表が来日し、27日のトランプ大統領訪日に先立って茂木敏充経済再生相と会談する予定です。
日米通商交渉を加速させたいアメリカ側の狙いがあるとみられます。
21日には、ワシントンで事務レベルでの論点整理も行われる予定です。
アメリカ、自動車関税判断を180日先送りし、交渉加速を指示
2019年5月17日、アメリカは自動車への追加関税を巡る判断を最大180日先延ばしすると発表しました。
トランプ大統領は日本やEUとの貿易交渉を加速するようUSTRに指示し、180日以内に合意が得られなければ「追加の行動を取る」と述べました。
こと、日本に関して言えば、5月27日の日米首脳会談を前にトランプ氏は180日と期限を区切り、日本に譲歩を迫った形となります。
茂木大臣、アメリカ側から「自動車の輸出制限求めない」と確認
2019年5月17日、茂木大臣はアメリカが自動車の輸出制限を日本に求めることはないとライトハイザー代表に確認したことを明らかにしました。
前日の報道では、このブログでも紹介したように、アメリカが関税引き上げの判断延期と引き換えに自動車・同部品輸入に関し、対米輸出を制限ないし規制するよう求める事を検討しているとされていました。
今回、これが否定された形になります。
単純にアメリカが対中貿易交渉に集中したいだけ、という事だったのでしょうか。
アメリカ、日欧に対米自動車輸出の制限・規制を要求?
アメリカは日本とEUからの自動車・同部品輸入に関し、対米輸出を制限ないし規制するよう求める事を検討している、との報道がありました。
そして、その要求に対する検討期間という事で、関税引き上げの判断を最大で半年間遅らせる、というのです。
しかし、日本は輸出制限はできないとの立場で、日米貿易交渉の大きな火種になる可能性があります。
アメリカ、自動車関税の判断を最大6か月延期
トランプ大統領は、検討中の輸入自動車に対する追加関税について、判断を最大6カ月先送りする見通しであるとの報道がありました。
背景には、EUと日本との協議が続く中、関係が一段と悪化するのを避ける狙いがありそうです。
トランプ氏が国家安全保障を理由に導入を検討している自動車・同部品に対する最大25%の輸入関税を巡っては、5月18日が判断の期限となっていました。これを延期、という事です。
日本の貿易交渉担当者たちはひとまず安どしているかもしれませんが、別に自動車関税がなくなったというわけではないので、警戒は全く解けていません。
アメリカ、日本に交渉加速を要求
2019年5月10日、ライトハイザー氏と茂木大臣は非公式に電話で協議し、その中でアメリカ米側が貿易協定の早期妥結を要求して来たという事です。
日米の貿易交渉が早期に妥結するには自動車と農業の関税下げで方向性を共有していく必要がある為、5月下旬と6月下旬の二回にわたって行われる日米首脳会談を前に、事務方で調整を続ける事になりそうです。
ライトハイザー氏が中国と交渉のさなかにかかわらず、茂木氏と非公式ながらでも電話協議したのはトランプ大統領の意向がありそうです。
アメリカ側は日米の貿易交渉で早期に成果を上げ、中国や欧州にプレッシャーをかけたいのだと思われます。
アメリカによる対中関税引き上げが与える影響
2019年5月のアメリカによる対中関税引き上げは日米貿易交渉にも影響するかもしれません。
2020年の大統領選を見据え、トランプ政権は貿易問題で一定の成果を上げたいと考えていますが、米中交渉がご破算となれば、代わりに日本から早期に成果を得ようとする可能性がある為です。
一方で安倍首相は大筋合意を夏の参院選後にするよう求めていて、今後も米中関係の状況を意識する展開が続くかもしれません。
日本側はトランプ大統領を意識した作戦
日米貿易交渉が10連休明けに本格化する予定ですが、最大の懸案である自動車問題をにらみ、自民党も役員が訪米して、ケンタッキー、イリノイ両州の知事と会談するなどして、日本企業のアメリカでの投資や雇用への貢献を訴えました。
ケンタッキーやイリノイはもちろんトランプ大統領を意識した場所選びです。
ケンタッキー州は伝統的に共和党が強く、2016年の大統領選でも共和党のトランプ氏が勝利しました。ですが、2018年の中間選挙は一部で激戦となり、2020年の大統領選で再選を目指すトランプ氏にも気がかりな地域です。
イリノイ州は民主党が強い地域ですが、同州を含む五大湖周辺は衰退した工業地帯として有名で、シカゴ以外ではトランプ氏の支持層と重なる中低所得の白人男性が多く、やはりトランプ氏が気にしている地域です。
2019年4月
日本、自動車関連で4.5兆円をアメリカに投資
トランプ大統領は、ウィスコンシン州で開いた集会で、2019年4月26日に行われた日米首脳会談において、安倍晋三首相が自動車新工場のためアメリカに400億ドル(約4兆5000億円)を投資することに同意したと述べました。
トランプ大統領は来年の大統領選挙を見据えて貿易交渉についての成果をとにかく全面アピールしています。
日米交渉、5月のトランプ大統領訪日前にも合意??
2019年4月26日、トランプ米大統領は日米貿易交渉について5月の訪日前に合意に達する可能性があるとの認識を示しました。
実際問題として日本がアメリカの農産品に課す関税、アメリカ国が日本車に課す関税、そして為替問題など、一部分野で隔たりが残されていることも浮き彫りとなっており、このコメントがどういう背景で行われたのかはよく分かりません。
為替条項の綱引きは長期化
日米は貿易交渉の中で為替の議論をするか否かも含めて協議を続ける方針となりそうです。
ただ、為替の協議は物品よりも後になるとの見通しです。ただ、先延ばしするだけで今後の日米交渉で大きなポイントとして引き続き残るでしょう。
TPP12では、為替に関する表現を協定の前文に織り込み、通貨安競争を回避する努力が謳われました。
しかし、今アメリカが参考にするのはUSMCA(新NAFTA)で、そこには為替介入を含む競争的な通貨切り下げを自制すると記されており、TPPよりも金融政策で手足を縛られてしまう可能性があります。日本はそれは避けたいと思う所でしょう。
貿易交渉と為替条項問題については溝
2019年4月25日、麻生財務相は日米財務相会談で貿易政策と為替政策をリンクさせる事には反対である立場をアメリカ側に伝えたと明らかにしました。
一方で、報道によるとムニューシン財務長官は為替条項について交渉に応じるよう麻生大臣に伝えたとの事で、こちらは引き続き溝がある状態です。
交渉妥結は夏の参院選後、2020年の大統領選挙前のどこか
2019年4月26日、日米両政府は首脳会談を行い、貿易交渉のペースを速める事を確認するものと思われます。
日本側は2019年6月下旬に予定する首脳会談で一定の方向性で一致し、夏の参院選後に大筋での合意をめざすというシナリオを想定しています。
ただ、2020年秋の大統領選の前に成果を得たいと思っているであろうトランプ政権に配慮する必要もあり、スピードを重視しつつ参院選への影響を最小限にとどめるべく動いているようです。
アメリカ、日米貿易交渉について楽観
アメリカの政府高官が、日米貿易交渉に関して「日本は貿易交渉について非常に協力的だ」と述べました。
ワシントンで開く貿易交渉や首脳会談を前に「協議は全速力で進んでいる」と語り、楽観的な見通しを示した形です。
アメリカ側から協力的と評されることが日本にとって本当に良いのかは分かりませんが、少なくとも協議が長引き先行きが全く見通せないといった状況ではなさそうです。
ただ、かなり不利な条件を日本側が飲ませられてしまう場合、日本側はその発表を遅らせる方針があるなどの報道もあったりしますので、急なネガティブサプライズがないわけではありません。
トランプ大統領の興味のある分野での成果を急ぐ姿勢
4月15日と16日の日米協議で、アメリカ側が来年の大統領選をにらむトランプ米大統領の関心分野での成果を優先する状況が浮き彫りとなりました。
農業と自動車に従事する有権者は大票田の中西部の州に多数います。
2016年の大統領選におけるトランプ氏勝利の原動力にもなった州で、大統領選の行方を左右すると言われています。
トランプ氏としては彼らをつなぎ留めておくためにも上記二分野での成果を急ぐのです。
日本政府もこうしたアメリカ側の、というよりトランプ大統領側の思惑に応えようとしています。それは、そうする事で日本側の懸案事項をできるだけ先送りしたいとの狙いがある為です。
アメリカは今回の交渉でも、直前に為替条項の導入をちらつかせて圧力をかけてきましたが、事実上の先送りとなりました。
為替や薬価、サービス分野に協議対象が広がれば、安全保障をアメリカに依拠している日本は押し切られかねないとの懸念が根強くあるのです。
農産品はTPP水準を限度とすることで一致
2019年4月16日の閣僚級貿易交渉で、日本の農産品の関税引き下げは過去のTPPで認めた水準を限度とすることで大筋で一致したようです。
ただ、元々2018年9月の共同声明で「農業の関税下げはTPPなど過去に締結した協定の水準が最大限」とする日本の立場をアメリカは尊重すると明記されていて、今回はそれを再確認したものにすぎません。
交渉筋によると茂木氏が改めて日本の立場を主張したのに対し、ライトハイザー氏が理解を示したとの事です。
2019年4月15日、交渉開始
2019年4月15日から、日米物品貿易協定(TAG)交渉の初会合が開かれました。
アメリカがTPP以上のものを日本に求めてくるそぶりを見せる中、今回の会合でTAG交渉の範囲を詰めていきます。
15日の協議では初日の協議では、
- USTR代表のライトハイザー氏が為替条項について、政府内に導入要望があることに触れた
- 自動車の輸入数量規制は話題にならなかった
- 日本側は協議後、かつてTPP交渉で認めた水準を限度とする方針を改めて示す
といった所がポイントでしょうか。
協議は16日も続きます。
日米貿易協議で最も問題になりそうなトピック
何度も延期になってきた日米TAG交渉ですが、ついに初会合となります。
ここで改めて注目されるトピックを列挙します。
- 自動車の対米輸出の数量規制
USMCAでも、他の貿易交渉でもこの数量規制をアメリカは交渉相手にのませてきました。今回も議題にあがるのは必至です。
- 農畜産品のTPPと同等かそれ以上の条件提示
米国産豚肉は日本の輸入全体の3割弱で、しかもそのシェアはここ10年間で10ポイント以上も下がりました。米国を除くTPP11の発効でカナダ産の輸入が一段と増えていて、アメリカの危機感は強いようです。ここでの巻き返し必ず図ってくるでしょう。
- 薬価制度
がん治療薬などの極めて高額な薬についてどうなるかです。
日本は財政を圧迫する新薬の価格を下げやすくする制度に変えましたが、高額医薬品を日本でも販売したい米製薬会社は強く反発しました。アメリカ政府は米製薬会社に国内での薬価引き下げを求める一方、貿易交渉を通じて海外で利益を上げやすくしようと考えているのです。つまり国内で失う利益を海外から取ってこさせよう、というわけです。
アメリカ、日本に為替条項要求
アメリカのムニューシン財務長官は、日米が15日から始める貿易協定交渉で「協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」と述べました。
通商協定は法的拘束力を持つので、もし為替条項が盛り込まれれば、日本側の円売り介入などが制限される可能性があります。
日本が為替条項の導入に反対している事は既報の通りです。今後の日米協議の大きな争点となります。
日本は交渉の決着を夏以降を希望?
日米TAG交渉は今後のスケジュールについてもかなり不透明になっています。
ただ、日本側としてはスケジュール感について希望もあるようです。
日本の議員は、アメリカからの厳しい対日要求や交渉結果が株価を押し下げるのではないか、そしてそれが夏の参院選に影響するのではないか、と考えていて、出来れば参議院選挙後に決着させらえるようにしたいと思っているのです。
例えば2019年9月に安倍首相が国連総会出席のため訪米する際の日米首脳会談で、大筋合意にこぎつける姿が理想的なシナリオかもしれません。
日米交渉は、新NAFTA合意案が一つの参考に
初会合が15-16日にワシントンで開かれる予定であることは既報の通りですが、やはり日米側では今回の交渉の範囲をどこまでにするかでかなりの相違がありそうです。
アメリカ側には医薬品やサービスなども早期交渉対象に含めようという声があり、交渉範囲を巡って初っ端から意見が衝突する可能性があります。
日米の交渉で一つの参考となるのがUSMCAでしょう。
詳細や経緯は↓をご確認ください。
日本にとって、最も懸念されるのは、日本からの自動車輸出に対し、アメリカが数量規制を求めてくるケースと言われていますが、これもUSMCAで規定されています。
内容としては現行貿易量と比べ高い水準ながら、数量を規制する、というものです。
日本側はそうした要求があった場合は拒否する構えですが、何らかの妥協を迫られる場合は対外公表がしばらく見送られる可能性もあるかもしれません。
ただ、トランプ大統領は、ツイッターで会談・交渉内容を発信する傾向もあり、その場合は日本側が苦慮する展開もありそうです。
また、為替条項についても懸念材料でしょう。
これもUSMCAに盛り込まれています。
何らかの文言を盛り込むよう米側が強く求めてくるだろうとの予測が、日本政府からは漏れてきているという事です。
4月15日、16日に初会合開催
TAG交渉の初会合が4月15~16日、ワシントンで開かれる見込みとなりました。
茂木大臣とライトハイザーUSTR代表が会談します。
サービス分野の交渉範囲をどこで線引きするかが焦点になるでしょう。
2018年9月の首脳会談の共同声明では交渉範囲について物品関税と「早期に結論が得られるサービス分野」と明記しましたが、それが何なのか細かな交渉分野は定めていません。今回の初会合で具体的な交渉範囲を決める。
4月中にも協議を開始する予定
茂木担当相は2019年4月2日の閣議後会見で、日米物品貿易協定(TAG)交渉について「今月中にもアメリカで行う方向で調整している」と語りました。
既に4月末には安倍首相の訪米もあり、それまでにどこまで込み入った話が出来るのでしょうか。
2019年3月
4月に安倍首相の訪米でトランプ大統領と貿易交渉について協議予定
安倍首相が2019年4月末にも訪米し、トランプ大統領と首脳会談を行う方向との事です。
日米通商交渉についても協議する可能性が高いと見られます。
ここ最近、この交渉に関する日米間での認識の差が少し露呈しています。
例えば、
- 日本はこれを物品貿易交渉と認識するが、アメリカはFTA交渉だと認識
- 通商交渉継続中にアメリカが日本車に追加の高関税実施はないと昨年合意したものの、2019年2月、アメリカは自動車関税に関する報告書を提出し、これを受け5月18日までにトランプ大統領が、追加関税の妥当性を判断
この自動車関税の所でどうなるか分からないので、トヨタを使って日本の対米投資が積極的であることをアピールしたりしているのでしょう。
日米貿易交渉で交渉対象の認識差露呈
アメリカの2019年の大統領経済報告で「日本とは自由貿易協定(FTA)交渉に入る」と明示しました。
安倍政権はモノに限った物品貿易協定(TAG)と主張している一方、アメリカはサービス分野も含めた包括的なFTAを目指しており、日米の温度差が改めて浮き彫りになった形です。
当該経済報告では、
- 日本とFTA交渉に入り、農産品や工業品、サービスの分野で貿易障壁を引き下げる事でアメリカは利益を得ることができること
- 豚肉や牛肉などの農産品だけでなく、物品やサービスの関税や非関税障壁が対日輸出の妨げになっていること
等に言及しました。
いずれも従来とあまり変わらない主張ではあります。
交渉で何を話し合うか決める所でまた時間がかかりそうです。
トヨタも北米向け投資を130億ドル
トヨタ自動車は長期の対米投資計画に約30億ドル上乗せし、2021年末までの5年間で130億ドル近くを投資する予定です。
ここには複数の工場を対象とした7億5000万ドルの新規支出も含まれています。
日本政府と示し合わせてこうなったのでしょうか。TAG交渉を前に日本が対米投資を積極的に行っている事の一つのエビデンスとなるかもしれませんが、、
TAG交渉の日程がなかなか決まらず 米中協議が優先
TAG交渉の日程調整が難航しているようです。
日本政府は4月中に茂木大臣が訪米して初会合を開く日程案を考えていますが、アメリカ側から現時点で調整はできないとの連絡があったとの事です。
米中協議の合意の見通しが見えず、中国を優先しているようです。
元々はトランプ大統領の5月の来日までに一定程度のケリをつけておきたいと考えていたわけですが、ずるずると行くとそれに間に合いません。
トランプ大統領の来日という分かりやすいイベントがないと、ダラダラと交渉が長引いてしまう可能性もあります。
2019年3月 トランプ大統領の自動車関税導入議論、下火に
トランプ大統領の自動車関税導入計画に対し、議会や消費者の反対、訴訟リスクなどの逆風が強まっているようです。
商務省が自動車関税に関する報告書を提出して数週間たっても、トランプ政権はこの問題への取り組みを公表していません。
専門家の間では、世論の反発を受け、来年の大統領選を少しでも有利にするために更なる通商摩擦を起こしたくないのではないかとみられているようです。
欧米通商交渉の行き詰まりを日本政府は懸念
貿易摩擦問題で、米欧交渉の遅れは日本にとって少し誤算だったでしょう。
工業製品に関する貿易交渉入りの首脳合意は米欧が先であったものの、実際の交渉は手続きを既に終えた日米が先行する公算が大きくなっているためです。
日本政府にとっては米欧交渉の行方を見極めながら、対米交渉の戦略を練るつもりだったのです。
アメリカが自動車関税の発動を免除する代わりに輸入制限や為替条項など厳しい要求を突きつけてくる可能性が高く、欧米間の交渉がもたつく事はトランプ政権の風圧を先に受けることになり、日本にとっては厳しい状況になるかもしれません。
TAG交渉前に安倍首相からトランプ大統領に「日本からアメリカに2兆円超投資」と説明
2018年9月に、安倍晋三首相とトランプ米大統領が会談した時に、安倍首相側から日本企業がアメリカで3万7千人の雇用創出と2兆円超の投資をすると説明していたことが明らかになりました。
そこでは、トヨタ自動車やパナソニックなど8社の7事例を記したイラストを用いて伝え、対日貿易赤字の削減を求めるトランプ氏の圧力を緩めようと腐心していたようです。
2019年3月 牛肉の緊急輸入制限がTAG交渉にもたらす影響
冷凍牛肉の輸入が急増し、およそ1年半ぶりにセーフガード(緊急輸入制限)措置が発動される水準に近づいているようです。
背景は、TPPでカナダやニュージーランドなどからの輸入が急増したこと等です。
ただ、この輸入制限が発動すると、TAG交渉の火種になりかねず、一つのポイントとして注目される事になるかもしれません。
というのも、トランプ政権は前回の発動時にも日本に撤回を要求するなど強硬姿勢を鮮明にしていたからです。
アメリカの牛肉関連団体の発言力は強力で、日米交渉が本格化するタイミングで牛肉の輸入制限となると、その団体の発言力をを意識したトランプ大統領の対日姿勢を、硬化させかねません。
2019年2月
日米TAG交渉、為替も含まれるとのアメリカ側認識
2019年2月27日、アメリカのライトハイザーUSTR代表は、TAG交渉の中に為替条項を対象に加えたい意向を示唆しました。
日本は為替条項は対象外と主張しているため、認識のずれが浮き彫りとなった形です。何となく前からそんな感じはしていましたが。
自動車や農産品などの物品の関税下げに加え、為替問題にも議論が広がれば、当然交渉が難航する可能性が高くなります。
交渉の対象は茂木担当大臣とライタハイザー氏の最初の会合で決定します。
日米TAG交渉 開始は4-5月?
TAG交渉が4-5月に開始する可能性が浮上しています。
トランプ大統領の5月下旬の来日前に茂木敏充経済再生相とライトハイザーUSTR代表が会談することで、交渉の方向性について議論するためです。
アメリカの政府機関閉鎖と米中貿易交渉でどんどん遅れる
元々2019年初から交渉が開始される予定でしたが、政府機関の閉鎖と、2019年2月現在でアメリカ側が米中貿易交渉に集中しているため、具体的な交渉日程に関する提案がなく、日本はアメリカ側の出方待ちになっているようです。
2019年2月 日米TAG交渉は2019年春に開始される予定
閣僚級での日米物品貿易協定(TAG)交渉が春をめどに開始される方針となったようです。
2019年5月下旬のトランプ大統領の来日前にアメリカで4~5月に協議する方向で調整する予定との事です。
交渉範囲については茂木大臣とライトハイザーUSTR代表で決める予定で、自動車や農業の関税下げのほか、サービス分野への波及が焦点になります。
2019年1月
2019年1月25日 交渉開始が2月以降に先送り 米中協議と政府機関閉鎖の影響で
TAG交渉の開始が2月以降に先送りとなるようです。
アメリカが米中貿易協議に集中したいという事と、米政府機関の一部閉鎖で日程調整がつかなくなった模様です。
日本側は2019年6月に予定するG20からみのトランプ大統領来日が交渉妥結に向けた正念場と見ているようです。
そうなるとすると、その前に茂木氏とライトハイザー氏が何度か話し合う事となり、6月の首脳会談までの交渉期間は3カ月程度となります。
交渉期間と米中協議の行方が妥結内容にも波及すると思われます。
日本はアメリカにTPP並みの工業製品関税の撤廃を要求
通商政策を担う茂木敏充経済財政・再生相がメディアのインタビューの中で、アメリカが日本の農産品でTPPと同水準の関税下げを求めるならば、日本は工業製品でアメリカにTPPと同様の内容を求めると答えました。
また、アメリカからは自動車の数量規制や為替条項の協議を求める声が上がっている事に対しては、管理貿易につながるような事は断固として反対し、為替条項についても、2018年9月の日米首脳会談で話題に出ておらず、共同声明にも一切入っていない事を改めて示した上で、現状話し合うつもりがない事を示唆しました。
2018年12月
2018年12月28日 まず物品協定交渉を行う事を改めて確認する
日米貿易交渉を担当する茂木経済財政・再生相とライトハイザーUSTR代表が12月中旬に電話協議したことが分かりました。
2人が2018年9月下旬の日米首脳会談以来話すのはこれが初めてです。
当該日米首脳会談でまとめた共同声明を順守する事を確認したらしく、アメリカ側は金融・通信・薬といった大規模なサービス分野も含めた交渉を求めていますが、共同声明に沿い、まずは物品貿易協定(TAG)の議論を先行する見通しです。
2019年1月に始まるTAG交渉では、議論の対象となる項目で日米に溝がある事はこの記事の中でもご紹介している通りです。
日本側は物品の関税協議を中心に据えたい考えですが、アメリカは金融などのサービス分野も含む22項目の交渉項目を発表し、知的財産や投資も含めた包括的な協議を目指す姿勢を示していて、そもそも何を話し合うかの所で少し齟齬が生じている状況です。
アメリカの22項目の要求分野
21日にアメリカが発表した要求分野では、日本が主張してきた「物品」に限った交渉であるという主張とは相いれない項目も入っており、はなから日米での認識の違いが浮き彫りになったものとなりました。
要求分野には、自動車貿易の改善や農産品の関税引き下げのほか、薬価制度や為替問題にも矛先を向けていて、難題となるでしょう。
また、通信や金融などサービス分野も含まれ、「物品」以外も幅広に含まれる形となりました。
医薬品や医療機器については、日本が神経をとがらせる項目も入りました。
文言は「透明で公正な規制によって、米国製品が完全に日本市場にアクセスできるようにする」と書かれていて、日本の薬価制度の見直し等に切り込むつもりと思われます。
また、為替条項について日本側は受け入れない構えのようです。合意文書に為替条項が入ると、トランプ政権が日銀の金融緩和をけん制するといったリスクも排除できなくなるためです。
2018年12月21日 アメリカ、22項目の交渉目的を発表 1月下旬から交渉開始
2018年12月21日、アメリカは日本との貿易交渉に向けて22項目の交渉目的を発表しました。
通貨安誘導を封じる為替条項を協議するほか、農産品や自動車では関税や非関税障壁の削減がその主な内容です。
また、今回のこの交渉目的の発表により、2019年1月下旬にも交渉を始められるようになりました。
2018年12月20日 TAG交渉は2019年2月開始か
TAG交渉は元々2019年1月中旬にもスタートするとみられていたわけですが、なかなかその開始時期が決まりません。
アメリカが交渉を開始する30日前に開示する予定の対日要求項目を未だに公表していないためです。
このため、日本側では交渉開始は2月にずれ込む可能性もあるとの見方も出ています。
アメリカは対日貿易赤字削減のため、日本車の関税や輸出の数量規制を掲げるとの見方もあり、やきもきする感じが続いています。
2018年12月19日 防衛装備品はアメリカ製が占拠
日本の防衛大綱・中期防絡みで発表された装備品の購入リストは、特に米国製の高額装備品が目立ちました。
対日貿易赤字を問題視するトランプ米大統領への配慮がにじんでいます。
金額が大きいのはロッキード・マーチン社の最新鋭ステルス戦闘機「F35」の買い増しです。
今回の中期防決定に合わせ合計105機を追加する計画を決めていて、1機約100億円で総額は1兆円超になります。
TAG交渉で少しでも突っ込まれるポイントを減らしていく為にも政府が必要と判断したのかもしれません。
2018年12月13日 日米TAG交渉の開始時期は後ずれか
日米の物品貿易協定(TAG)の交渉開始時期が、2019年1月から先送りになるとの見方が日本政府内で浮上している。TAGを担当するライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が中国との90日間の貿易交渉も手掛けるためだ。6月のトランプ米大統領の来日時にTAGで一定の譲歩を迫られる懸念もあったが、米中摩擦が激化すれば回避できる可能性も出てきた。
2018年12月10日 アメリカ、日米TAG交渉について公聴会を実施
2018年12月10日、米通商代表部(USTR)はTAG交渉に関して公聴会を開き、各種業界団体から要望を聴取しました。
これを受けて、USTRが対日要求項目をホームページ上で開示し、その30日経過後に交渉が開始する予定です。
ただ、この要求項目の開示日がいつになるかは分かりません。アメリカはクリスマス休暇シーズンに入るためもしかしたら少し間が空く可能性もあります。
2018年9月
2018年9月 TAG交渉を開始する事で日米首脳が合意
2018年9月、日米首脳がTAG交渉(物品貿易協定交渉)を開始することで合意しました。
アメリカ政府が議会に交渉を通告して90日を経過する1月中旬にも交渉がスタートするとみられます。
アメリカの目的はもちろん対日貿易赤字の縮小。そのシンボルである自動車についてどのような要求をしてくるか要注目となっています。
2018年8月に閣僚級で日米貿易交渉の開始が離されました。
この時から、
- アメリカの農産品の関税下げは日本の農家からの反発を受ける可能性があるため日本で2019年に行われる参院選の後に決着させること、
- 貿易協定の発効は20年2月からの米大統領選予備選の前にすること、
- そこから逆算した妥結のタイムリミットは2020年の秋、
という事が離されていたそうです。
これがあったので、この後起こるスケジュールの若干の遅れもそこまで想定外のものではなかった可能性があります。。
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